平成15年 1月 

 従来技術をより良くより安くより早く作り出すため、叡知を結集し進化させたものが新技術であります。今技術の真っ只中に現代の国民は生活を営んでおります。技術は日進月歩でありますが、評価され定着する新技術は多くありません。社会に通用しなければ当然ではあります。私達は新技術に活躍出来る仕事場とチャンスを与えて欲しいとの願いでJOSシステムを誕生させました。

 JOS(ジョイントオーナーシップ)は「共有する」と云う意味合いですが、その精神は「メリットを共に出し合って前進する」と解釈しております。新技術をもって、専門業者と地場ゼネコンがJOSシステムにより発注者が納得するものを作り上げていく新しいジョイント企業群を形成するのが当研究会の設立趣旨となります。

 土木業界にあっては、地場ゼネコンと専門業者の間では経営力、技術力に天地の違いがあります。専門業者が地場ゼネコンに依存して経営の安定化を図っているのが現実であります。この現実を理解しつつも新しい技術パートナーの位置付けで関係を築きあげていきたいと願っております。

 国交省にあっては、国民の要求を受けて新技術新工法採用によるコスト縮減を、丸投げ業者やVE方式等に積極的に対応出来ない不良不適格業者の排除を意識的に進めております。

さらに「専門工事業イノベーション戦略」(監修:建設省建設振興課 編集著作:専門工事業将来戦略研究会 大成出版社)等の指摘により一括発注の歪を是正する分離分割発注形式が推し進められつつあります。特に地場のゼネコンに対しては、育成と排除がはっきり峻別される環境になりつつあります。将来を見つめた地場のゼネコン及び専門工事業者の意識改革が早急に求められています。

 JOSシステムは、新技術活躍の仕事場とチャンスを提供して頂ける地場ゼネコンとジョイントして、専門業者としての新技術開発の衿持の精神を持って技術パートナーとしてお互いに技術を共有して最良の仕事をより安くより多く作り出し国民の期待にこたえるべく前進するシステムであります。行政担当各位、地場ゼネコン各位におかれましては、JOSの真意を御理解頂きまして、御支援をお願い申し上げます。

JOSシステム研究会

                                                          代表  永見  博希