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~新技術~
VOL.25 03.7.11(金)
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平成15年度 近畿地整管内技術研究発表会レポート!
国土交通省近畿地方整備局主催の平成15年度管内技術研究発表会が7月8日、9日に
グランキューブ大阪にて開催されました。
防災・保全対策部門において、JOSシステム研究会から北宅憲太郎が『自然共生型である
「緑の斜面工法」について』発表を行いました。まず緑の斜面工法が必要とされる時代背景を述べ、
次にその工法概要について説明をしています。また、①環境②安全性③施工性④品質といった4つの
視点から、技術開発成果の整理を行なっています。そして最後に本工法の適用事例として、
“龍間地区急傾斜地崩壊防止工事”の施工手順を追って説明し、従来工法との比較により、
コスト低減・工期短縮を定量的に実証しています。
今回発表した論文の一部を紹介します。
◆工法概要
緑の斜面工法は、ロックアンカー工・ロックボルト工を無水掘工法にて施工することにより、
足場幅が2mで済み、伐採せずに施工可能となったことから実現した工法である。
◆技術開発成果
①環境:元々自生している自然立木をそのまま利用するため、施工中・施工後ともに緑の無い時期がない。
また、新たに緑化工を行わないため、人工植生が以上2点において貢献している。
②安全性:従来工法では木の伐採に伴い伐根を行うため、地山を乱したり切土を行ったりと、
木の根による斜面保護効果を取り去る危険性があったが、本工法においてはそのような心配がなくなった。
③施工性:ロックアンカー工・ロックボルト工の削孔は無水掘工法にて行うため、
削孔機械の軽量化・コンパクト化に伴う足場幅の縮小(4.5m→2.0m、通常約1/5空m3)により、
施工性が向上している。
④品質:無水掘工法の特徴であり、アンカーの命である定着地盤(設置地盤)の確認を行いながら、
一本一本確実に定着させることおよび地下水の動向把握により被圧地下水に即対応することで、
より現場に適した構造物を造成している。
発表風景はこちらから
発表論文はこちらから
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『無水掘工法 副題:ロックアンカー工、ロックボルト工における削孔システム』(『国
土交通省-NETIS』に詳細記載)で施工を行う事により、安全施工、品質の向上、工事
コスト低減34%、工期短縮32%等、ライフサイクルコスト、社会的コスト縮減を実現し、
より良く・より安く・より多く土砂災害を未然に防ぎ、安心して暮らせるまちづくりを目指し
ましょう。
【編集室より】
今回は緑の斜面工法について紹介しました。環境面への取り組みはどの分野においても、
更に進められることが予想されます。当研究会では緑の斜面工法という環境面に優れた
工法を開発し、用いています。本工法を用いることにより、我々人間が自然と共生できる
ような環境作りに貢献できていると自負しております。
次号は、「~トピックス~JOSシステム研究会とは」(仮称)を予定しております。
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kitaya@jos-s.co.jp
(無水掘工法部会 技術担当:北宅憲太郎)
TEL 06-6325-5783/0120-325-313 FAX 0120-325-314