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                                  〜トピックス〜VOL.13 03.1.10(金)
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             建設業法改定の意味を訴える-@
           一括下請負禁止について


 今号では、『入札契約適正化法についての受注者側からみた取り組みと課題』に
ついて、「建設マネジメント技術 2002年7月号」の記事を抜粋しながら考えてみます。

記事前文はこちらからご覧になれます。

1.はじめに
 公共工事の入札及び契約の適正化促進に関する法律(以下「入札契約適正

化法」)が施工されてから約1年を迎えるにあたり、全国建設業協会土木委員会では、

現場での施工実態を踏まえ、入札契約適正化法の適切な運用と施工体制の適正

化を図る上での課題や問題点を整理するためアンケート調査を実施した。このアンケ

ートは、平成14年1月下旬から3月上旬にかけて、全国47都道府県の建設業協会に

所属している524社の建設業者を対象として行った。このアンケート調査の結果をもとに、

受注者側からみた取り組みと課題について述べる。


2.施工実態について
 (1)直営施工について
 完工高100億円未満では70%以上が「直営施工の部分を持っている」のに対して、
完工高100億円以上になると50%以上が「直営施工の部分が全くないかほとんどない」
としている(表-2)。また「直営施工の部分を持っている」ところの75%が、「直営部分を
増やしたいか、あるいは現状のまま維持したい」と考えており、「減らしたい」としているとこ
ろは13%に留まる。直営施工の内容は、準備工、仮設工、土木(小工事)が多いが、
完工高100億円以上になると、舗装工、地盤改良工、海上工事などの特定工種の
割合が多くなる。

「表−2 元請け工事における自社の直営施工の有無」の拡大版はこちらからご覧になれます。

(2)施工体制について

 約60%が下請けの階層に制限的な基準や目安を設けており、その内の90%が二次下請け

位までに制限している。

 

(3)監理技術者について

(省略)

 

(4)建設機械等の調達方法について

 鉄筋工や型枠大工などの技能工はほとんどが工事として外注しているのに対して、資材はほと

んどが自社で調達している。また、建設機械とそのオペレータについては、完工高20億円未満の

ところでは自社の職員(機械)を使い、完工高20億円以上のところでは工事として外注する場合

が多い


3.施工体制の点検

(1)一括下請負に関する点検について

 国、都道府県、公団の発注する工事では、「おおむねすべての工事」が一括下請負に関する

点検要領に基づく点検の対象となっている。一方で、都道府県、市区町村発注工事では、「一

括下請負の疑義のある工事」や「監督員などの指示により抽出した工事」が点検の対象となって

いる、としたところが30%前後みられた。

(中略)

 また、国、都道府県、公団発注工事では、その90%以上が「施工体制台帳あるいはそれに

加えて施工体制の把握表などを用いて点検がなされている」。しかし、市区町村発注工事では、

「提出資料なし」あるいは「その他の資料による点検」も約25%見受けられる。今後すべての発

注機関を通して、統一的な考え方に基づいた点検がなされるようその徹底を図る必要がある。

(中略)


(2)一括下請負となる工事とは

 一括下請負の判断基準である「工事の主たる部分」「実質関与」とは、全体の70%以上が

わかり難いとしているが、これらを一律の基準でもって定義付けることは難しそうだ。「工事の主た

る部分」とは、工種の金額の多少だけで判断するべきではなく、特殊工事、専門工事、工事の

難易度など工事の内容による場合も多い。特に「地盤改良などの専門工事業者が行うことが

多い工種が主体の工事」などは一括下請負とみなされやすいが、元請けとしてきちんと実質関

与し総合管理をしておれば、「適正化法」の主旨に適っているのではないだろうか。

また、これまでに「一括下請負の懸念がある」と指摘されたことのある工事とその時の対応につい

て問うたところ、元請けとして実質関与していたが、一次下請け1社に請負金額の50%を越えて

発注していたので一括下請負の疑いを持たれ、一次下請けを2社にして発注し直したり、材料を

下請けに支給するように変更して対応した例などが報告された。

 

(3)施工体制に関する発注者の把握状況について

(省略)

 

(4)二次下請け金額について

(省略)


 『無水掘工法 副題:ロックアンカー工、ロックボルト工における削孔システム』(『国土

交通省-NETIS』に詳細記載)で施工を行う事により、安全施工、品質の向上、工事コスト

低減34%、工期短縮38%ライフサイクルコスト、社会的コスト縮減を実現し、一箇所

でも多く土砂災害を未然に防ぎ、安心して暮らせるまちづくりを目指しましょう


【編集室より】

 新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

 さて、2003年最初の号となる今号では「入札契約適正化法についての受注者側あらみた取り組みと

課題」について考えてみました。

 直営施工を中心とした施工体制についてアンケート調査結果を元に記載してあります。

 今後の施工体制について、不良・不適格業者の排除のために効果的だと思われる対策についての

アンケートにおいて、「書類審査、発注金額だけでなく、管理能力、施工能力、施工実績、技術提案、

社会貢献度などの実質活動面も考えて発注すること」という回答があったようです。

 平成15年度からスタートする総合的なコスト縮減施策が叫ばれている今、品質の高いものを安く完成

させることが出来る技術の提案が求められているのではないでしょうか。


  次号は、『〜トピックス〜建設業法改定の意味を訴える-A 元請直接施工について』(仮称)
 を予定しております。