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〜トピックス〜
VOL.17 03.3.14(金)
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コスト構造改革の目玉//設計の最適化
前号紹介したように、コスト構造改革は「事業のスピードアップ」「設計の最適化」「調達
の最適化」の3つを主眼においています。そこで、今号では、「設計の最適化」について考え
てみます。
建設マネジメント技術(2003.2月号)より抜粋
「設計の最適化」については、計画・設計に関する規格の見直し、
民間の技術提案を積極的に導入する仕組みの構築等を行うことにより、
従来からの取り組みにおける技術的な限界をブレークスルーしたい。
平成14年12月20日報道発表の検討状況より抜粋
公共工事のコスト縮減については、平成9年より取り組みがなされてきた。これに伴い、
平成10年には、新技術活用促進システムが構築され、平成13年には新技術情報提供シ
ステム(NETIS)がスタートした。
これには、広く民間の新技術情報を随時収集し、コスト縮減という目標に向け、
新技術を活用していこうというねらいがある。
平成14年に、取り組みへの着手が表明された「コスト構造改革」においても、
「技術提案の積極的活用」が盛り込まれており、各整備局においては業務発注段階での予
備設計・詳細設計業務にわたり、NETISを活用して,新技術・新工法の計画検討書を作成
するよう条文化している。
このような流れの中で「設計の総点検」すなわち今までの設計も見直し可能なものは見直
そうとするものが主要検討事項として挙げられている。併せて、施策の一環として3月中旬まで
に総点検を試行することが1月14日付で地方整備局に通知された。4月からは、予備設計,
詳細設計,発注,施工の各段階で実施される。
それでは、「技術提案の積極的活用」とは具体的にどのような流れで検討されているの
だろうか。以下にフロー図を示す。
実際の事例として、近畿地方整備局が設計業務発注において、国交省NETISの
新技術活用を促すよう特記仕様書において条文を明記している。
条文はこちらからご覧になれます。
『無水掘工法 副題:ロックアンカー工、ロックボルト工における削孔システム』(『国
土交通省-NETIS』に詳細記載)で施工を行う事により、安全施工、品質の向上、工事
コスト低減34%、工期短縮32%等、ライフサイクルコスト、社会的コスト縮減を実現し、
より良く・より安く・より多く土砂災害を未然に防ぎ、安心して暮らせるまちづくりを目指し
ましょう。
【編集室より】
コスト構造改革の目玉である「設計の最適化」について考えてみました。
上流から下流に至るまで「コスト縮減」という構造改革をしていこうという、意識改革も同時に
なされる必要があるように思えます。
今後も、創意工夫を重ね「コスト縮減」に取り組んでいきましょう!
次号は、『設計の総点検の意味を考える』(仮称)を予定しております。