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                                  〜トピックス〜 VOL.3 02.8.9(金)
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   必見!地盤工学会刊行『グランドアンカー設計・施工基準、同解説』

 平成12年3月、10年ぶりに大改訂された同基準の『第7章 施工』の"削孔"の記載で注目
すべき変更がありました。
 下記に平成12年版と平成2年版の"削孔"の部分を抜粋しています。

   

 アンダーラインの部分を中心に見比べると、平成2年版では曖昧な言葉でしか表現していなかった
部分について、平成12年版でははっきりとした表現になっている事が分かります。
 平成2年の段階ではロータリーパーカッション式泥水掘二重管工法しか存在しませんでした。
この泥水掘では地下水の動向把握と地盤の判定が非常に困難であったために設置地盤(定着層)の
確認を100%行う事が出来ませんでした。そのため「推定する」という表現に留まり、現場の品質管理
が非常に難しかったと思われます。
 平成12年の段階では、無水掘工法による施工が行われており、地下水の動向把握と設置地盤の
確認を100%行う事により現場品質管理がより完璧に近づいていました。
 従って、永久アンカーとして長期的な性能を保証すべく、元請、下請責任が明確にされたものと思わ
れます。

『無水掘工法 副題:ロックアンカー工、ロックボルト工における削孔システム』(『国土交通省-NETIS』に
詳細記載)を普及させる事により、品質の向上、コスト縮減34%、工期短縮38%を実現し、一箇所でも
多く土砂災害を未然に防ぎ、安心して暮らせるまちづくりを目指しましょう。

【編集室より】
 初版と改訂版を読み比べると新技術の開発による施工方法の詳細な変化が分かります。
 しかし、開発された新技術を上流側の設計技術者に知ってもらわなければ10年前と変わらないという
こともいえるのではないでしょうか。
 施工者はもちろん、設計者も新技術を知り、積極的に取り入れてこそ同解説が大改訂された意味が
あるような気がします。

 次号は、『〜トピックス〜補助事業の実態-平成12年度会計検査院報告』(仮称)「グランドアンカー
性能不足のため、元請責任にて5129万円で手直し工事行われる」を予定しております。