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                                  〜現場情報〜 VOL.7 02.10.11(金)
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             現場作業員の死亡事故について考える

 先日、読者の方から次のようなメッセージを頂きました。ありがとうございます。
これからも皆様のご期待に添えるよう編集に取り組んでいきたいと思います。

 -メッセージ-----------------------------------
  いつもありがとうございます。
  これからもいろんな情報と、提言を期待しています。
  今後ともよろしくお願いいたします。
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今号では、現場における作業員の死亡事故について2つの事故例を取り上げます。

事故例1) 福井県和泉村:落石で法面工事の作業員が死亡

 7月4日午後3時20分ごろ、福井県和泉村の県道拡幅工事の現場で、法枠を施工していた
ところ、法面が法枠とともに高さ8m、幅20mにわたって崩れた。
 その直後、姿が見えなくなった同僚を探しにいった作業員に、転落してきた岩が直撃。
この作業員は死亡した。姿が見えなくなっていた作業員も腰の骨を折る重傷を負った。
 施工は穴馬組(本社、福井県和泉村)が担当。法面はこう配が1対0.5で、2段になっていた。
法面の高さは上段、下段ともにそれぞれ約8m。崩れたのは上段部分。コンクリートを斜面に固
定するアンカーを取り付ける前だった。
 現場付近は前日までの雨で地盤が緩んでいた。法面が崩れる30分ほど前に小石が落ちてく
るなどの前兆があったので、作業を一時中断。その後、5人の作業員が法面を点検しているとき
に、法面が崩れた。
(2002年7月26日号 日経コンストラクション『ニューズレター』掲載記事)

事故例2) 高知県馬路村:土砂崩れで作業員3人が生き埋め

 1998年9月19日午後4時半ごろ、馬路村馬路の県道「安田東洋線」の改良工事現場で突然、
道路西側の斜面が高さ、幅とも約40mにわたって崩壊。作業をしていた作業員三人が生き埋めに
なった。
 崩壊した斜面上部には新たな亀裂が発生し、小石が落下するなど二次崩壊の危険性もあったた
め現場には近づけず、土砂を取り除く作業はできない状態であった。
 安芸署や県安芸土木事務所によると、改良工事は道路を二車線に拡幅する工事で、切り取られ
た斜面に、崩壊を防ぐためのモルタルの吹き付け準備をしていた。作業員4人で、その前段として
斜面に金網を固定する鉄筋を埋め込むため斜面に沿って命綱をつけ、高さ5〜25m前後の位置で
作業中で、うち3人が崩壊に巻き込まれた。
 現場は馬路村役場から安田寄り約1.2kの朝日出地区。崩壊した土砂は約4000m3で、幅4m
の県道を長さ約40mにわたって完全にふさいだ。
 また事故当時、元請け会社の現場責任者がいなかったことが分かった。
 県警は発注元の県安芸土木事務所幹部を現場に呼び、工事概要について説明を求めた。
 高知県地方では台風6号の影響で継続的な雨が続き、同村魚梁瀬では18日の降り始めから19
日午後5時までに231mmの雨量を記録していた。
(1998年9月20日 高知新聞掲載記事より抜粋)

 『無水掘工法 副題:ロックアンカー工、ロックボルト工における削孔システム』(『国土交通省-
NETIS』に詳細記載)で施工を行う事により、安全施工、品質の向上、コスト縮減34%、工期短縮
38%を実現し、一箇所でも多く土砂災害を未然に防ぎ、安心して暮らせるまちづくりを目指しましょう。

【編集室より】
 事故例1)の現場は逆巻き工法で行うべきであった。逆巻き工法とは、上部から一段ずつ法面を作り
アンカーを打設し終わった後、緊張・定着を完了して下段を掘削施工する工法である。
この現場では、法面を全部作ってからアンカー施工する方法で行っていたことに加えて、前日の雨も
重なり今回の事故が発生している。通常、従来工法の場合、アンカー施工に大規模な足場が必要な
ため、ついつい後施工となってしまう例が非常に多い。
 事故例2)の現場では逆巻き工法で行っていたにもかかわらず事故が発生している。この事故では、
上段の法枠部にロックアンカーもしくはロックボルトが必要であったにも関わらず、設計、施工がなされ
ていなかったことによるものです。
また、事故当時、現場責任者がいなかったことも問題ではないでしょうか。現場管理の仕方も問われた
事故ではないかと思います。
 今回取り上げた事故は、土砂災害対策工事に関わっている我々防災技術者にとっては他人事では
ありません。
 現場の安全管理について計画、調査、段階と実施工時点においても再再検討、確認すべきであると
思います。
     
 次号は、『〜トピックス〜建設技術展2002近畿 出展のご案内』(仮称)を予定しております。